初音ミク熱
なにやら巷では初音ミクとやらが人気のようだ。
いや、存在は結構前から知っているんだけど、はてなで初音ミクを冷笑するような感じのエントリーが挙げられたので、エントリーネタとして活性化している。
araig : net
初音ミクの魅力がオタクでない僕には分からないので教えて下さい
まずこのエントリーを見て思ったことは、はてなIDでない人のコメントが物凄く多いなということだ。コメントの多くは初音ミク批判に対する批判、中には怒りさえ表している人もいる。
まぁ初めに
正直、画像検索失踪事件が釣りかどうかとか以前に、ここ1ヶ月の一大初音ミクキャンペーン自体が壮大な釣りなんじゃないか、と思うぐらい、初音ミクの何が凄いのかさっぱり分からない。
まずそもそも、この技術ってそんなに革新的なのか?ってこと。
このようにばっさり切り、
3次元の2次元への融解を望み、キャラに萌え、ニコニコ動画のコンテクストの中での「初音ミク」の圧倒的勝利に酔う人々、「オタク」。その中でも、以上述べた要素を一切共有しない一般人にもこれが評価されるなどと勘違いする人達のことを世間ではなんと言うんだっけ………たしか、キモヲタと言うんじゃなかったか。
という文章でしめて、粉みじんに切り刻んでしまっている。*1でも、ここで注目したいのはプロフィール。
araignet
映画と音楽と文学とハロプロが好きです。文体が内容を決めるそうなので、内容で文体が決まります。
つまり文体でもって内容をみせてやる、と言い切っている。そして今回のエントリーをあげるとそれは成功している。わざと挑発しているんだから。けれども予想以上に挑発に対する反発が沸いて少し困ったなというところもあるだろう。でもそれもエントリー名に「教えてください」と書いてるんだからエントリーとしての完成度は結果的に本人が思っている以上に上がっているんだろうな、と思う。
けれどもコメントでの初音ミク批判に対する批判はなかなか感情的になっているものも多い。特に怒っているような人は、少なからず自分が初音ミクをもって昇華しようとしているが、それを否定されて怒っているのではないかと感じる。もちろんそうではなくて、純粋にツールとしての初音ミクを不当に評価されたことによって怒っている人もいるだろうが、これも広義では同様に当てはまれる。
まぁコメントの人をあまり考えても仕方ないのだが、同じ初音ミク関連の話で驚いたのが「グーグルが初音ミクを排除している」というものだ。
まさか、ありえんだろと思ってイメージ検索してみると確かに出ない。けれど普通ならグーグルが「初音ミク」を排除していると考えないで、何か技術的な問題が原因で結果的に排除されていると考えるだろう。もちろん初めからそのように考えていた人も多くいるだろうが。
もし初音ミクの存在がグーグルの"Don't Be Evil"という理念を破らせ*2排除したいようなものであれば、排除ではなく買収しているだろう。そして買収しないのであれば、その存在はグーグルにとって大したことはないということだ。
そう思うと、明らかにおかしいと思うようなことがネタにしても話題になるのは、なにやら初音ミクは過熱しすぎているような気もする。それも初音ミクを応援して成長させていこうとしてる人の一部が、過保護になりすぎている親のように過敏になっている気がする。うちの子になんてことをするの!というような感じに。うちの子はそんな子じゃありません!というように。
一方で初音ミクというツールを見てみるとなかなか面白いものだと思う。いくつか聞いたが、「ん〜いまいち」というものから「おー意外にうまく歌えている」と思えるものがある。その中には本当に凄い!と思えるものもあった。
例えばこれとか。
風の谷のナウシカ
これは書いてあるとおり、元の歌い方もこれに近いからということもある。
けれどこっちはもっと上手い。
奇跡の海
これは本当に上手いと思った。
そして「いまいち」と感じるものも、歌っている初音ミクというキャラああるからか、拙さによって可愛く見える。面白いものだな、と思った。
そしてこのツールがもっと発展し完成度の高いものになれば、歌は下手だけど歌を作れる人がもっと活躍できるようになるんじゃないかな、と思う。今現在歌が下手で歌を作っている人がどの程度いるのかは知らないが、やっぱり歌の素養がないと歌を作ろうって気にはならないんじゃないかと思う。
けれど、もし歌が下手だけど歌を作れる人の歌*3が世に出てくるようになったとき、歌手はどうなるんだろう?やっぱり歌を作った、作曲家になるんだろうか?でもそれで売れるのかな?なにか歌はやはり歌っている主体が必要な気がする。
もちろん今現在、その主体は初音ミクである。けれど毎回2Dのキャラを作って歌わせているだけではとてもじゃないが一般化はしないだろう。
こういったツールが発展して、「歌う主体はなくても歌は歌」と思えるまでになるんだったら、やっぱりこれは凄いツールなんだろう。