STEVE JOBS スティーブ・ジョブズ 偉大なるクリエイティブ・ディレクターの軌跡

スティーブ・ジョブズ 偉大なるクリエイティブ・ディレクターの軌跡

スティーブ・ジョブズ 偉大なるクリエイティブ・ディレクターの軌跡

つい、買ってしまった。高いなぁと思いつつもビジュアルブックだからしょうがない。本自体の質感は値段以上かも。
内容は傲慢にして魅力的な人物、スティーブ・ジョブズの人生を振り返って要約している。ページの間には時折、見開きで写真が載せられている。今もカッコいいけど、若いころのスティーブ・ジョブズカッコいい。

書かれている文章の量は多くなく、買って一時間ほどで読み終わったがまた開きたくなる。手元においていると満足感がある。
本自体はあっさりしたものだ。著者はこだわってそう作っているのだろう。おそらく書きたいことは山ほどあるだろうが。アップルへの親愛も込めて。

またビジュアルと一緒にジョブズの言葉を載せている。なんとも気持ちの良い言葉が多い。
特に私はその傲慢なまでの台詞が好きだ。少し載せると

「宇宙に衝撃を与えたい 1982年/Macintosh開発チームに対して」
「画面上のボタンまで美しく仕上げた。思わずなめたくなるはずだ 2000年/Fortune誌のインタビュー」

のようなものだ。

またコラムとしてゲイツ氏に関わることも載せているが、この一節には笑ってしまった。

1996年、ドイツのTV番組のインタビューで、ジョブズマイクロソフトについて聞かれて、こう批判したことがある。
マイクロソフトの唯一の問題は、彼らにセンスがないことだ。(中略)彼らの成功は文句ない。彼らの成功は、ほとんどは彼ら自らで手に入れたものだ。ただし私が問題にしているのは、彼らが三流の製品しか作らないという事実だ」
インタビューの直後、ジョブズゲイツに詫びの電話を入れるが、最後に
「でもセンスがないと言ったが、それは事実だ」
と蒸し返したという。

そしてこの本の最後は、あのスタンフォード大学でのスピーチに触れて締めている。
一応参考に。
http://video.google.com/videoplay?docid=9132783120748987670


ジョブズ本はまだ読んだことがないので、偶像復活(iCon)やらを読む気にさせられてしまった。にしてもジョブズでもゲイツでもグーグルの二人*1でも何か大成功をするような人はその分野における第一人者ではなく、第二、第三の人だ。ジョブズはどちらかというと第一人者かと思っていたのだが、彼の好む言葉として挙げられている「平凡なアーティストは模倣する、偉大なアーティストは奪う」という言葉のように彼も奪う人のようだ。おそらく本人は誰よりも奪ったものを愛してしまって奪ったなんて忘れていそうだが。ジョブズに関する他の本は年末年始のお楽しみにしておこう。

*1:パクッたわけではないが